LGBT

レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの頭文字からなるこの言葉は、性的少数派という意味でよく使われます。近年、メディアなどで使われる事も多くなり、耳にした事がある人も多いのではないでしょうか。しかし、フンワリとしかわからない、あるいは全くわからないなど、具体的にイメージしづらい人も多くいると思います。ここではそんなLGBTのことをわかりやすく紹介しようと思います。これを見て、正しい知識を知ってもらう事で、すべての人がセクシュアリティーついて悩むことなく暮らせるといいなと思っています。それにはまず、みなさんに「知ってもらう」ことが大切だと思っています。

はじめに

まず初めにみなさんに知って欲しいことは、恋愛は男女間だけのものでないという事です。それは、親の育て方や環境が悪かったからとか、自然の摂理に反しているわけではありません。性的指向は本人の選択で決まるわけではありません。どの時代にも、どの国・地域にも、同性愛者は存在していて、自然の動物界にすら存在するのです。

男女

動物界の同性愛

イルカ、ペンギン、ライオン、キリン、トンボなど実に様々な動物の同性愛行動が確認されています。同性愛者、異性愛者、その他が入り混じって存在している世界が本当の自然の世界なのです。

イルカ

レインボーフラッグ

レインボーフラッグはLGBTを象徴する旗です。もともと、8色で構成されていたレインボーフラッグは、ピンク色はセクシャリティ、赤色は生命、オレンジ色は癒し、黄色は太陽、緑色は自然、ターコイズ色は魔術・芸術、藍色は平穏・調和、紫色は精神を意味します。
現在は、様々な理由によりピンク色とターコイズ色が省かれ、藍色を青色に変えた6色のレインボーフラッグが最も広く使われています。

レインボーフラッグ

数字で見るLGBTの統計

割合

全国約7万人を対象に実施した調査で7.6%がLGBTを含む性的少数者であるという研究があります。約13人に1人が性的少数者という事になります。
十三人に一人

LGBTの人たちはほとんどの人が、カミングアウトしていない、あるいは一部にしか話していません。それは、受け入れられるかどうか心配だからです。なので、周りの人が正しい知識を身につけて、普通のこととして受け入れる体制を作る事が大切です。

市場規模

LGBTの人の商品・サービス市場規模は5.94兆円。これは、2016年のブルガリアのGDPと同じくらいです。
市場規模出所:電通ダイバーシティ・ラボ, 国際通貨基金

LGBTの人たちは結婚や育児に縁がない事が多いため、本人たちの自由になるお金が多いと言われていて、最近ではNIKE、GAP、Apple、日本では野村証券、資生堂などの企業がそのマーケットを開拓しようとしています。

日本でのLGBTの歴史

歴史を振り返ると、日本と他の国では同性愛の置かれた環境は大きく異なります。日本が開国し、同性愛を認めない西洋文化が入ってくるまで、同性愛はいたって普通のことでした。
古くは平安時代から、また戦国時代に織田信長が小姓といわれるお付きの若者と同性愛の関係にあった事はよく知られていますが、織田信長に限らず、当時の多くの武将が同じようなことを行っており、男色はむしろ“武門の花”だったと言われています。

織田信長と小姓

セクシュアリティの種類

人はざっくり分けると12のセクシュアリティに分ける事ができると言われています。それは、カラダの性(生物学的性)、ココロの性(性自認)、スキになる性(性的指向)の3つの組み合わせで決められます。しかし、これらの性別は必ずしも男と女という区分けで明確に存在しているわけではありません。それはそれぞれがグラデーションで存在していて、男女の中間だったり、性別がなっかったりする事もあります。
セクシュアリティマップ出所:電通ダイバーシティ・ラボ制作の「セクシュアリティマップ」

レズビアン ゲイ バイセクシュアル トランスジェンダー その他

レズビアン

レズビアン

ココロの性とスキになる性が女性の人でセクシュアリティマップでいうと5番と11番にあたる人たちです。

レズビアンのセクシュアリティマップ

ゲイ

ゲイ

ゲイはココロの性とスキになる性が男性の人。セクシュアリティマップでいうと1番と7番にあたる人たちです。

ゲイのセクシュアリティマップ

ゲイの人たちは自分を男と認識して男を好きになります。レズビアンの人たちも同じで、女性のココロで女性を好きになります。けして、男が好きだから女になりたい、女が好きだから男になりたいと思うわけではありません。男性を愛するのは女性だけ、逆に女性を愛するのは男性だけということではありません。

バイセクシュアル

バイセクシュアル

スキになる性が男女両方の性の人のことです。セクシュアリティマップでいうと3、6、9、12番になります。

バイセクシュアルのセクシュアリティマップ

性的指向はグラデーションで存在しているので50/50で男女バランスよく好きな人もいれば、どちらかの性の方がより好きという人もいます。また、バイセクシュアルの人たちは男女2人の恋人を同時に作る人と誤解されることが多いそうです。彼ら彼女たちは、ただ男女ともに好きになれるだけで、同時に2人の恋人を作って二股をかける人というわけではありません。

トランスジェンダー

トランスジェンダー

カラダの性と、ココロの性が不一致する人たちでセクシュアリティマップでいうと4番から9番の人たち。

トランスジェンダーのセクシュアリティマップ

性同一性障害と同じ意味で使われることもあります。トランスジェンダーのすべての人が性別的適合手術を望んでいるわけではなく、服装や髪型を自分の好きな側にすれば満足する人もいれば、性別にとらわれない格好をしたい人もいます。

LGBTs, LGBTQ

性的少数者には、L、G、B、T以外の人たちもいます。インターセックス、アセクシュアル、クエスチョニングなど様々なセクシュアリティが存在します。それらの人たちも含めるためにLGBTではなく、複数形であるSをつけてLGBTs、またLGBTQと呼ぶこともあります。このQはQuestioningで自身の性自認や性的指向が定まっていない人のこと、あるいはQueerで個性的なという意味から来ています。

インターセックス

インターセックスは身体的に男女の区別がつきにくい人のことです。一般的に両性具有とも言われています。人間のカラダの性は、性染色体(XY、XX)、性線(卵巣、 精巣)、外性器(ペニス、クリトリスなど)、内性器(子宮、膣など )といった復数の要素で決まります。多くの人はこれらそれぞれの要素がすべて男性型、女性型で一致するのですが、要素の型が一致しないで生まれてくることもあります。そういう赤ちゃんがインターセックス(性分化疾患)です。2000人に1人の割合で生まれると言われていますが、ほとんどが乳幼児の頃にどちらかの性に近づくように治療をしてしまうみたいです。

インターセックス

ほかにもスキになる性がないアセクシュアル(またはエーセクシャル)など、これらにも当てはまらないセクシュアリティの人たちが幾通りも存在します。

ステレオタイプとの戦い

テレビなどでオネエタレントが活躍してくれる事はとっても嬉しい事です。しかし、面白い話をオネエ言葉で話すので、オネエ=ゲイとみられることがあります。ゲイの人の中にはオネエことばを話す人もいますが、話さない人もいます。ゲイの街で有名な新宿二丁目などではオネエことばを話すけど、普段会社や家では普通に話すなど場面によって使い分ける人もいます。
ひとくちに、LGBTと言っても人それぞれにいろんな生き方や価値観があります。思い込みで判断するのではなくて、ひとりひとりが違う存在で相手の意思や価値観を尊重し合う事が大切なんだと思います。

使い分け

学校での問題

609人のLGBTを対象にしたアンケートではLGBTの人たちはほとんどが自分が異性愛者でない事を小学校から高校の学生時代に自覚したと回答しています。
しかし、そのほとんどが誰にも打ち明けられずにいました。その理由としては理解されるか不安だった、話すといじめや差別を受けそうだった、どう話したらいいかわからなかったなどが理由です。
また、回答者の 68%はいじめや暴力を受けた経験があるそうです。このうち、ゲイの人とトランスジェンダーの人は42%、レズビアンの人の19%がいじめや暴力を受けた原因は自分がLGBTであることだと回答しました。
68%

学生LGBT
被害を受けた結果、学校に行くのがいやになった、人を信じられなくなった、クラスで孤立した、自殺を考えたなどのマイナスの影響があり、今でもその経験 をときどき思い出す、今でもその経験を思い出すとつらくなるなど思春期をすぎた後にも影響を及ぼすと回答した人が多くいました。
出所:いのち リスペクト。ホワイトリボン・キャンペーン

日本と世界の同性婚事情

日本では同性婚は認められていません。また、国としてLGBTに関する特別な法律もありません。でも、世界には同性婚やパートナーシップを認めている国があります。最近ではドイツ、マルタ、台湾、オーストラリアが同性婚のための手続きをはじめています。台湾が同性婚を制度化するとアジアで初の快挙となります。
その一方、中東やアフリカなどでは同性愛に対して刑罰がある国や地域もあります。そういう国や地域では何も悪い事をしていないのに、LGBTである事が罪となり死刑判決を受ける可能性もあるのです。
世界地図
日本では、渋谷区、世田谷区など地方自治体でパートナーシップ制度ができましたね。日本でも世界でもLGBTを認める流れになってきている事はとっても嬉しい事です。
ただ、同性婚について反対する意見も少なくありません。2013年にニュージーランドで同性婚が認められるかどうかの国会でのスピーチで「この法案が通ることで影響のある人の人生には素晴らしい影響があります。しかし、そうでない人たちの人生は何にも変わりません」という発言がありました。同性婚が認められたからといって、同性愛者が増えるわけではありません。同性愛者ではない人たちにとって同性婚というものがあろうとなかろうとその人達の人生や生活に何の変化もなく、単に世の中に幸せになるカップルが増えるだけだということを知って欲しいと思います。